浮き沈みの激しい芸人の世界で生き残るためには
お笑い芸人がバラエティー番組の司会者を務めたり、高学歴の芸人がいたりと芸人になりたい人は増えているようです。かつて芸人は顔立ちがよくない人が多いといったイメージがありましたが、最近は元俳優や子役、更にはモデルだった経歴を持つイケメン芸人も増えてくるなど芸人のイメージは変わりつつあります。
それでは、芸人になるにはどうすればよいのでしょうか。多くの芸人志望者は、お笑い部門のある芸能事務所が運営する養成所などからスタートさせるようです。中には中学を卒業してすぐに目指す人もいます。入所にあたりオーディションとして漫才をしたり一発芸をする事務所が多いようです。
養成所では、ダンスや発声練習、リアクションなどを学びます。そして養成所を修了するころには、事務所からコンビを組まされるようで、ボケ担当でやりたかったのに、ツッコミ担当になってしまう人もいるようです。そして、下積み時代が始まります。先輩の芸人が司会を担当する番組が始まる前に、番組の観覧に来ているお客さんに向かって、拍手の練習を行なったり番組の内容の説明をしたり、時間があれば自分たちのネタを番組の観覧に来ているお客さんの前で披露します。こうして多くの人の前で漫才を披露する度胸やお客さんの心をつかむやりとりをつかんでいきます。他にも事務所が経営する小劇場に出演することや、商業施設のイベントで漫才を披露したり、MCを行なうなどの地方巡業もあります。こうした地道な下積みの結果、深夜のバラエティー番組で出演して人気の芸人になる人もいれば、結婚などの人生の節目にサラリーマンに転職する人もいます。そして後者のほうが圧倒的に多いのが現実です。人気の芸人でさえ、下積み時代が長く40歳近くになるまでブレイクしなかったという人もいます。また、一度はブレイクして人気の芸人になったものの、人気が低迷してテレビで見かけなくなってしまう、俗にいう「一発屋」といわれる芸人も多いです。芸人の世界は次から次に新人がデビューしたり、何かをきっかけにブレイクする芸人がいたりと入れ替わりの激しい世界です。人気の芸人は、漫才だけでなく歌やダンス、俳優業などマルチに活躍しています。番組を企画するプロデューサーから、リアクションならこの人を使おう、盛り上げ担当にはこの芸人が使えるなどと思わせるように、漫才以外の方面にも才能を磨くなどの努力を続けることが芸人として長続きする秘訣と言えるでしょう。